さて、前回説明しましたが、当方買ったのはパチモンと言うことで、ウクライナ発祥の元基板パターンを満足に真似できているのかということで、本当に使えるのかどうか心配です。
そこで、手持ちのGigaSt4.0とダミーロード、ATTなどを動員して特性を調べてみることにします。その前にRFブリッジの回路がどうなっているのかを名著「トロイダル・コア活用百科」を本棚から出してきておさらいしました。
まずは回路図です。R2,R3,REFダミーロード、DUT試験物でブリッジを組みます。そこに信号を入れて、REFとDUTとの間でのアンバランス電圧を平衡(伝送線トランス)に取り出し、簡易スペアナで観測しようというものです。
GigaStのTGモードを使います。TG-OUTをブリッジのRF INPUTにつなぎ、VSWR OUTをGigaStのINPUTにつなぎます。
まずは裸の反射特性をとろうと、REFにNEC A601と言う名称のSMA型のダミーを10GHzまで使えると言うHRSのATT-120(20dBアッテネータ―)を介してつなぎます。DUTには携帯電話基地局ジャンクのカプラーに付いていたダミーをHRSのATT-110(10dBアッテネータ―)を介してつなぎます。どのパーツも1GHz以上用で使えるという触れ込みのジャンクパーツなので、RF特性に疑問はないという考えです。
RFブリッジでの全反射のレファレンスを取らないといけません。
まずはDUTをOPENにして反射を取得。
続いてDUTをSHORTして全反射を測定します。SMAコネクタにアルミホイルを喰わせショートします。
SHORTとOPENでの全反射の値に大きな相違がないかをGigaStの重ね表示Hold機能を使ってみます。
続いてワタシがDummy1と名付けている携帯電話基地局ジャンクのカプラに付いていたSMAコネクタでブロックになっているダミーの特性です。
どうでしょうか。大体全反射が-45dBmぐらいなので、40dBのアイソレーションは取れているようです。
このダミーは1GHzは悠々と思うのですが、手元に10GHzまで使えるアッテネーターもあるので、このダミーとの間に入れて見て差があるか、RF特性に変化あるかを見てみます。
ちょっと反射が増えた気がします。これはコネクタをタンデムにしているからではないかと推定。ダミーもATTもRF特性が良いはずですので。
次に自作ダミーロードの特性を測ってみます。BNCコネクタオスにチップ抵抗510Ωを放射状に10枚張り付け、最後に直流抵抗が50Ωになるようチップ抵抗で補正したものです。ダミー1はピンから抵抗取り付け部まで同軸線で引っ張ったので、インピーダンス整合がとれているようですが、ダミー2では銅線にしたら、わずか1cmでも特性悪くなりました。
次にVHF帯用だと思うBNCコネクタ型のHRSマークMTP-202Bと言うダミーロードの特性。全く高い周波数ではだめです。
これでGigaStとダミーロードなど準備ができました。次はアンテナ測定をやってみます。